ポーランドへ来た理由
ヨーロッパ旅行に来て、ポーランドを訪れるひとって、どのくらいいるのでしょうか?
ベルリンを発つ朝、キッチンのテーブルに向かい合って二人で必死に食パンをほおばっていたとき、宿のスタッフのお姉さんに
「次はどこに行くの?」と聞かれ、
「ポーランド!」と言ったら
「ポーランド??珍しいわね!大抵ドイツ旅行に来た人は、次にチェコやオーストリアに行くわ。エキサイティングね」
と言われました。
日本にいたときも、
「ポーランドに旅行に行ってきた」とか
「ポーランド行きたい!」なんて、
私は一度も聞いたことがなく。
でも、ここポーランドには、誰しも一度は耳にしたことがあるであろう、超有名な場所があります。
私たちがポーランドにきた1番の目的です。
ナチスドイツの強制収容所に関する本といえば『夜と霧』が有名ですね。
実際にアウシュビッツ近くの収容所に収容されたユダヤ人の精神科医が、内部の人々の生活を綴ったものです。
私も読んだことがあるし、俊介さんも昨年末、なぜか日本に一時帰国したその日の夜に一気読みしていました(読むのは2度目だったらしい)。
本の中に描かれていたのは、今の私たちには想像もできないような、残酷な世界。
でも、実際に、人が人に対して、やったことなのです。
いつも旅のテーマに沿った部分を切り取って記事を書いているせいか、世界一周ブログにしては珍しく道順や移動についての情報が少なめなこのブログ。
今回は、これからアウシュビッツに向かう方のための純粋な旅のtipsと、個人的な記録としての記事を書きたいと思います。
アウシュビッツ強制収容所に行くための起点となるのが、ポーランド南部の「クラクフ」という古都。
私たちは、Polski busというポーランドのバスで
ベルリン→ワルシャワ(首都) 約9時間30分、約3000円
という感じで移動しました。時間は少しかかりますが、なんといっても安い!
クラクフ駅からアウシュビッツ強制収容所まで行く方法は
①バスで直行
②電車+バスor徒歩20分
の2通りあるのですが、私たちは①のバスで行くことにしました。
バスのチケット売り場&乗り場は、駅を挟んで旧市街の反対側にあります。
旧市街側から駅をくぐり、階段を登ってすぐのところにある建物へ。
チケットカウンターのおばさんに行き先を告げるとき、「アウシュビッツ(ドイツ語)」のポーランド語「オシフィエンチム」をド忘れして心配でしたが、「アウシュビッツ」で通じました。さすがにわからないわけないか。チケット代は片道ひとり12ズウォティ(約402円)。やっぱりポーランドのバスは安い!
乗り場を示す地図ももらえました。
この時点で時刻は11:45。バスの発車時刻は12:10で、少し時間があったので腹ごしらえすることにしました。
チケット売り場のある建物内の売店で買ったチキンサンド:3ズウォティ(約100円)。
冷たかったけど、普通に美味しかったです。
ちなみに朝食べてきた激うまクリームパイも100円くらいでした。宿の近くのパン屋さんで、昨日買ったものです。
10分前に乗り場に行くと、既にそれらしきバスが止まっていました。
しかし、バス停には人が集まっているものの、誰も乗る気配がない。
近くにいた白人女性がチケットを運転手さんに見せて「次のバス」的なことを言われているのを見て、
そっか次かあ
と思い皆と一緒に立っていました。
しかし、発車2分前になっても一向に「次のバス」が来ない。
不安になって運転手のおじさんに自分たちのチケットを見せると、
おじさんはそれを手にとって、眉間に皺を寄せ、紙面が焦げつきそうなほどジッと眺めた。
これはまさか・・・
嫌な予感が私たちを包み込んだその瞬間、
「コレッ!」
という字幕がつきそうなほど明確なジェスチャーをいただきました。
よかった!危うく乗り損ねたかと思いました。やっぱり流れに身を任せるんじゃなくて、自分で聞かなきゃダメですね。(同じようなシチュエーションで一度イギリスの長距離バスを逃したことがある)
無事バスに乗り込んだら、ここから1時間半。夏のハイシーズンだとバスに乗り切れない人や通路に立ちっぱなしのひともいるそうなのですが(日本の貸切バスみたいな補助席はない)、5月はオフシーズンのようで、空席もけっこうありました。
バス車内はこんな感じ。400円でこんなにしっかりした快適シートに座れるなんて!横浜駅→成田空港のリムジンなら同じ1時間半でも3600円します。
いざ、アウシュビッツへ!
written by Kyoko