フランクフルトのビオ農場 その2
Yukikoさんのご厚意により、ランチ後半戦(?)にありつけることになった私たち。本来はスタッフしか食べられないはずの、まかない的ランチをご馳走になりました!
チーズは他で作られたものもあるそうですが、この農場で採れた&作られたものがメインのお食事です。これまた自然な味で美味しい~。
パン工房で働くYukikoさんのお仕事は、いつも深夜に始まり、終わるのはお昼。聞けばこの日も、前夜からのお仕事を終えたところで私たちに出会ったのだそうです。ランチのあとは、農場を案内してくださるとのこと。「明日休みだから~」と笑っていましたが、くたくたのところ、初対面の私たちにここまで良くしてくれるなんて、そうそうできることじゃありません。
ちょうど今、関西からパンの修業をしに来ているご家族もこの農場に住んでいるとのことで、農場見学の前にお茶を持ってお部屋に突撃。旦那さんの修業のために、奥さんと2歳のお子さんもドイツまで一緒にこられたのだとか。ドッテンフェルダーホフには、修業や企業研修のために外国から訪れる方も多いのだそうです。
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しばしお茶&お話に花を咲かせたあとは、いよいよ農場へ!
まずは、Yukikoさんが一昨年まで働いていたパン工房を見せていただきました。パンを作る工程は全て手作業。薪を使った石釜オーブンで焼いています。私たちが工房に入ったときは、作業終了からすでに数時間経っていたはずですが、窯に近づくと暑い!
写真の窯の中に見える新しい薪は、明日のぶん。窯に熱が残っているうちに入れておくことで、薪を乾かすのだそうです。
パン工房の壁には石が埋め込んであって、作業スペースとは思えないほどおしゃれ。これも、芸術を重視するシュタイナーの教えに従ったものなのだとか。
パン工房の奥には、居住者用にハーブなどが植えられた畑や、子どもが遊ぶためのスペースなどが広がっています。
さらに進むと、養鶏場があります。元気に歩きまわっているニワトリたちを見て、マレーシアで出会った、正反対の、歩けないニワトリたちを思い出しました。強制的に成長ホルモン剤を摂取させられ、ブヨブヨになった足。「みんなが普段食べている安い鶏肉や卵は、たぶんこういう鶏のだと思いますよ」――座ったままじっと動かなかったあのニワトリたちを思い出すと切なくなります。ドッテンフェルダーホフのニワトリたちは放し飼いですが、夜になると勝手に家に戻るのだそうです。
その奥には、大きなからっぽの農地と果樹園。
農地には最近まで牛のための牧草が育てられていて、刈られたばかりなのだそう。その前は小麦や燕麦(オートミールの材料)など、土壌を弱くしないために輪作(同じ作物を続けて植えない農業)をおこなっているのだそうです。
果樹園には、羊たちが放されていました。
こちらは暖房設備!冬場はここに薪をくべて、敷地内に熱を供給します。夜中も含め5時間ごとに薪を供給しなければならず、しかも薪は重いので、女性にはなかなかできない作業なのだそうです。暖をとるってラクじゃない。…でもよく考えたら、ボタンを押しただけで箱から温風が出るなんて、魔法みたいなことをいつもしていたんですね。寝転がってお菓子食べながらテレビを見ているだけでも部屋はあたたまる。エアコン・ヒーターを全く使うなということではないですが、感謝はいつも忘れちゃいけませんね。
「またいつでも来てね~」と、どこまでも親切なYukikoさんでした。また来ます!
ドッテンフェルダーホフのHP
http://www.dottenfelderhof.de/
written by Kyoko